あの爪痕は序章に過ぎなかった。
<ベルギーの闇3部作>第2弾、ついに公開!
とあるベルギーの村を舞台に、人々の異常な愛と狂気を寓話的に描いた『変態村』。未だかつて見たことのない陰惨さと、神をも恐れぬ鮮烈な内容に、カンヌを始め全世界に騒然と熱狂を以てその名を轟かせたファブリス・ドゥ・ヴェルツ監督。
あれから10年――。
よりディープで強烈な愛の形を投げかける問題作が誕生した。モチーフにしたのは、フランソワ・トリュフォーが絶賛した伝説のカルト作『ハネムーン・キラーズ』(70)でも描かれた事で有名な、実在の変態連続殺人鬼カップル、マーサ・ベックとレイモンド・フェルナンデスのふたり。1940年代、アメリカ。通称《ロンリーハーツ・キラー》と呼ばれる彼らは、愛と生活のため3年間で20人以上の殺人を犯した。
彼らの関係性に着目した本作は、お互いに惹かれ合うがゆえ罪を重ね、共犯関係に陥っていくさまをエモーショナルかつ鮮烈に映し出す。主演は、『変態村』に続きローラン・リュカ。幻想的でありながら観る者すべてを闇に引きずり込んでいき圧倒させる<ベルギーの闇3部作>の第2弾、ついに公開!
出会ってしまったふたり。
モラルとタブーに背き、欲と本能に従ったその先にあるものとは?
シングルマザーのグロリアは、ある日友人の薦めで出会い系サイトを通じてミシェルという男と出会う。ミシェルは寂しい女性を夢中にさせ、女性の性的欲求不満を満たすことで生計を立てる結婚詐欺師だった。ミシェルに出会った途端深い恋に落ちたグロリア。ミシェルの正体を知ってもその恋は冷めることはなく、そばにいるため兄弟と偽り共に結婚詐欺をする道を選ぶ。
しかし、つのる嫉妬心がグロリアを狂気へと向かわせ、殺人を犯してしまう。強い愛情で結ばれたふたりの行動はエスカレートしていき…。
ローラン・リュカ [ミシェル]
1965年7月20日パリ出身。ストラスブール国立劇場付属演劇学校で演技を学び、1997年、ジャンヌ・バリバールと“J’ai Horreur de I’Amour”で共演し映画デビュー。1999年にはレオス・カラックス監督作『ポーラX』に出演し、ギョーム・ドパルデューの従兄弟役で注目を集める。また、同年に公開された“Haut Les Coeurs!”ではカリン・ヴィアールと二度目の共演を果たし、その年のセザール賞有望若手男優賞にノミネートされた。彼を一躍スターにしたのは、セザール賞で監督賞他4部門を受賞した『ハリー、見知らぬ友人』(00)。その後『イン・マイ・スキン 人には言えない、私が本当にしたいこと』(02)や『サイレント・ホスピタル』(03)に出演し、『変態村』(04)では『地獄愛』の監督を務めたファブリス・ドゥ・ヴェルツと初タッグを組んだ。以降『戦争について』(08)、『潜入 最も危険なテロリスト』(11)と続き、本作『地獄愛』(14)ではオースティン・ファンタスティック映画祭のファンタスティック部門にて最優秀主演男優賞を獲得した。

ロラ・ドゥエニャス [グロリア]
1971年10月6日バルセロナ出身。父親のニコラス・ドゥエニャスも俳優として活躍している。ロラはバルセロナで演技を学び、1998年に“Mensaka”で映画デビュー。2002年の『トーク・トゥ・ハー』に始まり、『ボルベール 帰郷』(06)、『抱擁のかけら』(09)、『アイム・ソー・エキサイテッド!』(13)と、ペドロ・アルモドバル監督の作品に多数出演している。中でも『ボルベール 帰郷』では他のキャストと共にカンヌ国際映画祭女優賞受賞を果たした。また、ハビエル・バルデムと共演した『海を飛ぶ夢』(04)ではゴヤ賞の主演女優賞を受賞。その他の作品には、『靴に恋して』(02)、『20センチ!』(05・東京国際レズビアン&ゲイ映画祭06)、『シェフズ・スペシャル』(08・東京国際レズビアン&ゲイ映画祭09)、『屋根裏部屋のマリアたち』(10)などがあり、本作『地獄愛』(14)ではオースティン・ファンタスティック映画祭のファンタスティック部門にて最優秀主演女優賞を獲得した。

エレーナ・ノゲラ [ソランジュ]
1969年5月18日ブリュッセル出身。音楽活動に専念しながらも、モデル、作家、女優、監督としてマルチな才能を発揮する。1986年、姉のリオが所属するグループのコーラス担当としてデビュー。その後すぐにソロ活動を始め、1988年には「Lunettes noires」を発表。アルバム制作を行いながら、1989年には『浴室』で映画デビューを飾り、その後テレビでも女優としての活躍の場を広げていった。主な出演作として『天使の刻印』(04・フランス映画祭04)、『ブラック・ボックス 記憶の罠』(05)、『パリの中で』(06)、『ハートブレイカー』(10)などがある。また、プライヴェートでは本作『地獄愛』のファブリス・ドゥ・ヴェルツ監督の妻でもある。

ピリ・グロワーヌ [エヴ]
2003年ベルギー出身。マリオン・コティヤールの娘役を演じた『サンドラの週末』(14)にて映画デビュー。本作『地獄愛』を経て、映画出演3作目となる『神様メール』(15)では、神様の娘という役どころを演じた。この際の演技はシッチェス・カタロニア国際映画祭最優秀女優賞を受賞、マグリット映画賞の新人女優賞にノミネートと高い評価を得た。

ファブリス・ドゥ・ヴェルツ [監督]
1972年10月21日ベルギー出身。リエージュの国立演劇学院を卒業後、ブリュッセルの映画研究所INSASで演出を学ぶ。その後、テレビ局Canal+にてバラエティ番組の司会をつとめた後、映画界へ。1990年からコダックのスーパー8フィルムによる多くの作品を監督し、自身の作品では、シナリオ兼俳優も同時にこなしいていた。1999年に制作された短編“Quand On Est Amoureux Cest Merveilleux”で、ジュラルメール映画祭(01)グランプリを受賞。初の長編作品となる『変態村』はカンヌ映画祭・批評家週間をはじめ、各地の映画祭で物議を醸し、ベルギーを代表する新たな才能としてヨーロッパ映画界を騒然とさせた。2008年にはエマニュエル・ベアールを主演に迎えたホラー・サスペンス映画『変態島』を監督し、第41回シッチェス・カタロニア国際映画祭にて、ファンタスティック・コンペティション部門のカルネー・ホベン審査員賞受賞を果たした。2013年にはベルギーのアルデンヌ地方を舞台とした、狂気の愛を描く3部作の第2弾に当たる『地獄愛』に着手。第1弾とされる『変態村』のローラン・リュカを再度主演に迎えた。2013年からは、BeTVで放送されている『ホームシネマ』の司会者としてテレビ番組に復帰している。

恋の醍醐味と愛の恍惚は地獄にこそある。しかしそれを知ってしまえば、天国はつまらない場所だというのも知らなければならなくなる。
岩井志麻子
(作家)
男が戯れにかけた愛という呪いが、それを失くした女へ永遠の魔法をかけ悲劇が加速する。
何処の、誰にでも起きうる悲劇のカタチだ。誰だって愛し、愛されたいのだ。
川瀬陽太
(俳優)
女性殺人者は、異常な愛で縛り付けられても、永遠の愛を信じる。だから犯罪となる。
うわべで愛を論じる者に、彼らの地獄を見抜くことはできない。
桐生正幸
(東洋大学社会学部社会心理学科教授)
五感に蓋をしたくなる。好きな男と一緒には観られない。
桜木紫乃
(作家)
二人の行く先が地獄だとするならば、僕も一度は地獄に行ってみたいと思った。 純粋で穏やかで美しき刹那が二人の愛には確実に存在する! でも、まあ、歯車狂うと歌のあとにノコギリだけどな(笑)!
白石和彌
(映画監督)
彼らが「愛」と呼ぶものは、あまりにも醜く、残酷で、空虚で、孤独ですらある。
しかしもっと悲しい事実は、彼らにとってはそれが「真実の愛」なのだ。
原田隆之
(筑波大学人間系教授)
嫉妬のあまり、詐欺の計画も忘れて暴走する女。厄介である。
だが殺人という狂乱に至っても、そこに溢れる感情は当然すぎるほどの、普遍的な愛なのだ。
真魚八重子
(映画著述家)
怖い、怖すぎる。痛い、痛すぎる。これは、ホラー?スプラッター? とんでもない!
物凄く怖く、物凄く痛い、純愛ミュージカル映画です‼
光石研
(俳優)